2009年 05月 05日
救急救命士 |
先週,救急救命士の方からお手紙を頂きました.彼は昨年,当院麻酔科で気管挿管実習を行ったのですが,現場ではなかなか実際に挿管する機会が無かったようです.ところが,今年に入り,5回も挿管を行う機会が訪れたとのことでした.結果は4例で見事に成功し,残りの1例は挿管困難であることを認識し,代替用具で気道を確保したとのことでした.いずれのケースにおいても,常に当院で受けた指導内容を思い返しながら基本に忠実に行ったとのことで,お手紙を読んでいて彼の誠実なお人柄を思い出しました.救急救命士の挿管行為については,どうしても結果責任を追及する論調があるようですが,これを行える資格を講習や実習何時間と決めるだけではなく,人間性も加味して決める必要があるのかもしれません.気管挿管は慣れれば簡単ですが,われわれ専門家でも年に数回は高度の挿管困難症例に出会います.驕らず無理せず,困難症例の時にはすぐに代替用具で逃げることが重要です.その観点から,少なくとも,お手紙の彼は安心して任せられるそのような救命士さんだと思いました.
by tdcanesth
| 2009-05-05 09:02
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