2009年 08月 19日
プロポフォールTCI |
昨日は麻酔科学会の共催セミナーの司会を務めました.防衛医大の増井先生によるプロポフォールをTCIで投与する際の基礎についてのご講演でした.この講演を拝聴していて,今まで言われてきたことと少々違う点に気付きました.これまではゆっくりとプロポフォールを投与していき,就眠したところの効果部位濃度をチェックすると,これが覚醒時の濃度とほぼ一致することから,就眠時の濃度が重要であると言われてきました.しかし,この効果部位濃度は,薬物の循環時間(つまり心拍出量)やプロポフォールを注入しているラインの輸液速度によって影響を受けることから,就眠時の効果部位濃度から類推している予測覚醒濃度を補正する必要があるとのことでした.具体的には,高齢患者さんのように薬物の循環時間が長い場合には,就眠時のプロポフォール効果部位濃度が実際よりも高く表示され,輸液を全開で投与するような場合には低く表示される可能性があるそうです.これを基に覚醒時の濃度を予測するとおおむね95%くらいの確度で一致するそうです.TCIを用いたTIVAに新たにチャレンジしたくなりました.
by tdcanesth
| 2009-08-19 18:54
| 学会