2009年 10月 30日
臨床麻酔学会 |
昨日から浜松で日本臨床麻酔学会が開催されています.昨日の講演の中で印象的だったのは,UCSFで准教授をされている橋本先生の「米国の麻酔科医の抱える現状と問題」でした.米国でいわゆるスタッフとして研究や臨床,教育を行っているFacultyの大半が臨床しか行っていない現状から,多くの麻酔科と言うdepartmentにおいてはすでにacademic departmentではなくなっていると述べられました.日本でも医師不足からacademicではなくservice departmentに陥っている医局も存在しますから,米国だけの問題とは思えません.確かに研究だけで食べていけるのはごくわずかの優秀な研究者のみでしょう.私たち臨床家の責務の大半は臨床ですが,それだけではなく例えわずかな時間でも研究に費やす時間を持ち続けることが重要と考えます.そのためにも,若い人材の確保,そして彼らに対して研究のイロハを伝えることが私たち指導医の役割です.初期研修医の皆さんが後期研修先を選択される時には,このような観点から研修先を評価することも重要だと思います.
by tdcanesth
| 2009-10-30 07:37
| 学会